目次
- はじめに
- 1. 深夜酒類提供飲食店営業の届出とは
- 2. 【個人営業】届出に必要な書類
- 3. 【法人営業】届出に必要な書類
- 4. 届出書と「営業方法を記載した書類」の様式は熊本県警のホームページで入手できます
- 5. 書類を準備するときにつまずきやすいポイント
- 6. 届出前に確認しておきたいこと
- まとめ:必要書類は「何を」「どこで」集めるかを先に整理しよう
はじめに
行政書士事務所きりん代表の大塚竜一です。熊本を拠点に、風営法関連のご相談をお受けしています。
深夜0時以降もお酒を提供するバーや居酒屋などを開業する場合、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要になります。ところが、熊本県警察のホームページを見ても、必要書類の概要が載っているだけで、「結局、何をどこで集めればいいのか」が分かりにくいと感じた方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、管轄の警察署で受け取れる案内書「深夜における酒類提供飲食店営業届出案内」の内容から必要書類を抜粋し、個人で営業する場合と法人で営業する場合に分けて、一覧でご案内します。公的な案内書に基づく内容ですので、安心してご覧ください。
届出書類は、この案内書のとおりに準備すれば、行政書士に依頼せずご自身だけで作成し、ご自身で警察署に届け出ることも可能です。この記事が、そのための道しるべになれば幸いです。
1. 深夜酒類提供飲食店営業の届出とは
深夜酒類提供飲食店営業とは、深夜(午前0時から日の出まで)にお酒を主として提供する飲食店を営む場合に、風営法に基づいて必要となる届出です。接待を伴う営業に必要な「風俗営業許可」とは別の手続きで、お酒を提供するバーや居酒屋などが主な対象です。
なお、届出の前提として、保健所の飲食店営業許可を受けている必要があります。許可証の写しが届出書類のひとつになっていますので、保健所の手続きを先に進めておきましょう。
2. 【個人営業】届出に必要な書類
個人で営業する場合は、次の6種類の書類が必要です。
- 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
- 営業方法を記載した書類
- 飲食店営業許可証の写し(保健所が発行したもの)
- 営業所の平面図、求積図、照明音響配備図、設備立面図
- 営業所の周辺図(営業所の周辺200メートル圏内)
- 住民票(本籍地を記載したもの。外国人の場合は国籍を記載したもの。マイナンバーの記載は不要)
3. 【法人営業】届出に必要な書類
法人で営業する場合は、次の書類が必要です。
- 上記「個人営業」の①~⑤の書類(届出書、営業方法を記載した書類、飲食店営業許可証の写し、各種図面、周辺図)
- 定款の写し(末尾に「本定款は当社の定款に相違ない」旨を記載し、日付、法人所在地、法人名、代表者名を記載すること)
- 登記簿謄本(法務局が発行した全部事項証明書)
- 役員全員の住民票(本籍地を記載したもの。外国人の場合は国籍を記載したもの。マイナンバーの記載は不要)
個人営業と違って、住民票は代表者だけでなく役員全員分が必要になる点にご注意ください。また、定款の写しは、コピーを取るだけでなく、末尾に所定の文言と日付・法人情報の記載が求められます。
4. 届出書と「営業方法を記載した書類」の様式は熊本県警のホームページで入手できます
必要書類のうち、「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」と「営業方法を記載した書類」については、熊本県警察のホームページで様式が公開されています。窓口でもらう必要はなく、事前にダウンロードして記入を進められます。
熊本県警察「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に係る各種様式」
https://www.pref.kumamoto.jp/site/police/8737.html
同ページの「【深夜酒類提供飲食店営業】関係様式」には、次の様式が掲載されています(2025年12月2日更新時点)。
- 別記様式第47号:深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書(RTFファイル)
- 別記様式第48号:営業の方法(Wordファイル)
このほか、同ページには廃止届出書・変更届出書の様式や、使用承諾書などの参考様式も掲載されています。営業開始後に内容が変わったときにも使えますので、あわせて確認しておくと安心です。
5. 書類を準備するときにつまずきやすいポイント
必要書類の中で、特に手間がかかりやすいのは次の3点です。
まず、営業所の図面類です。平面図、求積図、照明音響配備図、設備立面図と、1か所の営業所につき複数の図面が必要になります。中でも求積図は、壁芯や柱の扱い方で面積の計算が変わるため、何度も作り直すことになりがちです。詳しい考え方は、こちらの記事で図解付きで解説しています。

次に、住民票です。「本籍地を記載」「外国人は国籍を記載」「マイナンバーは不要」と、取得時の指定が細かいため、窓口で請求するときにその旨を伝えないと、取り直しになることがあります。
最後に、法人の場合の定款の写しです。末尾の記載内容に決まりがあるので、コピーだけで済ませないようご注意ください。
6. 届出前に確認しておきたいこと
届出書類は、あくまで警察署の案内書に沿って準備することが大切です。管轄の警察署や時期によって、追加の書類を求められたり、様式が変わったりすることもありますので、届出の前に必ず管轄の警察署で最新の案内を確認してください。
案内書の「注意事項」には、次の内容が記載されています。
- 書類は住民票等と照合して正確に記載すること(例:「草葉町5番13号」のように、番地・号まで住民票どおりに記載します)
- 住民票等の添付書類は、6か月以内に作成されたものであること
- 営業を開始する10日前までに届出を行うこと
特にご注意いただきたいのが、届出の期限です。案内書によると、「10日前まで」とは、営業開始日と届出日の間に「中10日」を設けるという意味です。例えば、営業開始日が4月12日であれば、4月1日までに届出をしなければなりません。
また、営業開始日の10日前の日が閉庁日(土曜日、日曜日及び祝日)の場合は、その直前の開庁日が届出期限となります。例えば、4月1日が土曜日であれば、直前の3月31日が届出期限です。
なお、この届出に手数料はかかりません。
保健所の許可、図面の作成、書類の収集と、段取りを組んでから動き出さないと、オープン予定日に間に合わなくなることがあります。余裕をもったスケジュールで準備を進めましょう。
まとめ:必要書類は「何を」「どこで」集めるかを先に整理しよう
深夜酒類提供飲食店営業の届出に必要な書類は、個人営業で6種類、法人営業ではさらに定款・登記簿謄本・役員全員の住民票が加わります。特に図面類は専門的な知識が必要で、ご自身で作成されると時間がかかる部分です。
もちろん、必要書類をご自身で作成し、ご自身で警察署に届出を行えば、行政書士に依頼しない分、費用を安く抑えることができます。一方で、お時間がない方や、何らかの事情で警察署に出向くのが難しい方は、図面作成から届出までまとめてお任せいただくこともできますので、お気軽にご相談ください。
執筆者:行政書士事務所きりん代表 大塚竜一(行政書士登録番号:25436451/熊本県)
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