はじめに
行政書士事務所きりん代表の大塚竜一です。
永住許可申請は「一度不許可になると、その後も難しい」というイメージを持たれがちですが、実際に重要なのは、不許可になった理由を正確に把握できているかどうかです。今回は、過去に3回不許可となった後、4回目の申請で永住許可を得られた実例をもとに、永住許可申請の流れと、申請にあたって押さえておくべきポイントを解説します。
1. 永住許可申請とは?
「永住者」の在留資格を得ると、在留期間の更新手続きが不要になり、就労にも制限がなくなります。他の在留資格から永住許可を得るには、出入国在留管理庁が定める要件を満たす必要があります。
出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」では、永住許可の要件として次の3つが挙げられています。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(原則として引き続き10年以上の在留、公的義務の履行など)
なお、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者・子である場合には、上記のうち「素行が善良であること」「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の2つは満たす必要がないとされています(同ガイドラインより)。ただし、その場合も在留期間の要件には別途特例があり、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上本邦に在留していることなどが必要です。
▶ 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
2. 永住申請でよくある不許可の理由
上記の要件のうち、実務上つまずきやすいのが「国益要件」の中にある公的義務の履行です。同ガイドラインでは、次のように明記されています。
公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
つまり、申請の時点で未納分を支払っていたとしても、「期限内に納めていたかどうか」自体が審査で見られるということです。年金や健康保険料の支払いに一時的な遅れがあった方の申請が繰り返し不許可になるケースは、この点が原因になっていることが少なくありません。
3. 【実例】3回の不許可を経て、4回目で永住許可を得たケース
当事務所でこれまでに担当した永住許可申請は1件ですが、そのご依頼は、過去に3回、永住許可申請をして3回とも不許可となった方からのご相談でした。(実際の案件をもとにしていますが、個人が特定できる情報は伏せています)
ご相談の際にこれまでの申請書類と結果通知を拝見したところ、3回とも不許可の理由として共通していたのが、国民健康保険料・国民年金保険料の支払いに遅れがあった時期があり、それが「公的義務の履行」の観点で消極的に評価されていたことでした。ご本人はすでに滞納分をすべて納付済みだったのですが、上記のとおり「期限内に納めていたか」自体が見られるため、単に「今は払っている」というだけでは評価が変わらない状態でした。
そこで、これまでの未納期間について、支払いが遅れた背景にあったやむを得ない事情を整理し、それを裏付ける資料とともに説明したうえで、4回目の永住許可申請を行いました。未納があったとしても、やむを得ない事情があり、それが入国管理局に認められれば、必ずしも消極的に評価されるとは限りません。結果として、無事に永住許可を得ることができました。
このケースからも分かるとおり、永住許可申請では「なぜ不許可になったのか」を正確に特定できるかどうかが、次の申請の結果を大きく左右します。
4. 当事務所の永住許可申請サポートの流れ
当事務所では、永住許可申請のご相談を、以下の流れで進めています。
- 相談:現在の在留状況に加え、納税・年金・健康保険料の納付状況など、要件に関わる部分を丁寧にヒアリングします
- 書類収集:必要書類の収集・作成を行います
- 申請:出入国在留管理局への申請を行います
- 審査:審査期間中に追加書類の提出等が必要になった場合、対応いたします
- 許可:許可後の在留カードの受け取り等についてもご案内します
当事務所では、ご相談の際に納税・年金・保険料の納付状況などを含めて丁寧にヒアリングし、永住許可の要件を満たしているかどうかを確認したうえで、ご依頼をお受けするかどうかを判断しています。要件を満たしていることを確認できた場合に限り書類収集を進め、申請の直前に着手金として料金の50%をいただく形にしています。ヒアリングの前や、要件を満たしているかどうかが分からない段階で着手金をいただくことはありません。これは、要件が整っていない状態のまま申請してしまうと不許可となり、着手金そのものが無駄になってしまうことを避けるためです。
永住許可申請の料金は、料金表に掲載しております。
5. 熊本・福岡エリアでのご相談について
行政書士事務所きりんは熊本市を拠点としていますが、福岡県内のご相談にも対応しております。ご来所いただく形はもちろん、オンラインでのご相談も可能です。
まとめ:永住許可申請は「なぜ不許可になったか」の見極めが重要
永住許可申請は、一度不許可になった後も、原因を正確に特定できれば、あらためて許可を得られる可能性があります。特に公的義務の履行については、見落とされがちなポイントです。ご自身の状況が要件に照らしてどう評価されるか不安な方は、お一人で悩まず、専門家にご相談ください。
執筆者:行政書士事務所きりん代表 大塚竜一(行政書士登録番号:25436451/熊本県)|事務所概要・プロフィールはこちら
永住許可申請は行政書士事務所きりんへご相談ください
熊本・福岡を中心に、永住許可申請のご相談を承っております。過去に不許可となった方のご相談も歓迎します。
▶ 熊本・福岡での永住許可申請に関するご相談はこちらから 行政書士事務所きりんHP
