はじめに
行政書士事務所きりん代表の大塚竜一です。
先日、特定技能外国人を雇用されている企業様から、このようなご相談をいただきました。
「特定技能1号から2号へ移行する予定の社員がいます。今の登録支援機関との契約を継続すべきでしょうか? それとも御社で契約可能でしょうか?」
実は、このご質問をされる企業様は非常に多いです。
そして残念なことに、世の中には「2号になっても登録支援機関の支援は必須(義務)です」と嘘を伝え、不必要な委託料を請求し続ける業者が存在します。
今回は、特定技能2号における「支援の義務」の真実と、1号とは全く異なる「入管手続きのルール(行政書士法との関係)」について、登録支援機関スタッフの経験がある行政書士が徹底解説します。
1. 結論:特定技能2号に「義務的支援」はありません
まず結論から申し上げます。
特定技能2号の外国人材に対して、法律上の「支援義務」はありません。
特定技能1号の場合は、日本での生活に不慣れなため、入管法で定められた「義務的支援(事前ガイダンス、生活オリエンテーション、送迎など)」を行うことが企業(または委託を受けた登録支援機関)に義務付けられていました。
しかし、2号に移行できるレベルの人材は、すでに日本での生活基盤が整っており、熟練した技能を持っています。そのため、法律上、登録支援機関による支援は不要となるのです。
⚠️ 「義務です」と言ってくる業者に注意!
もし、現在契約している登録支援機関から「2号になっても法律上、支援委託契約が必要です」と言われたら、それは間違い(あるいは悪質な嘘)です。
無駄なコストを払い続けないよう、正しい知識で防御してください。
2. それでも支援を依頼したい場合の「2つの選択肢」
義務ではありませんが、「会社として福利厚生的にサポートを続けたい」「本人が不安がっている」という場合、任意で登録支援機関や行政書士に生活面のサポートを依頼することは可能です。
当事務所では、企業のニーズに合わせて以下の2つのパターンをご提案しています。
① 継続サポート型(安心重視)
特定技能1号の時と同様に月額契約を結び、定期的な面談や生活相談を継続するスタイルです。
- メリット: 社員の定着率向上、トラブルの未然防止。
- 向いている企業: 手厚いフォローで長く働いてほしい場合。
② スポット依頼型(コスト重視)
毎月の定額支援(委託料)は支払わず、何か問題が起きた際や、更新手続きが必要な時だけ、その都度ご依頼いただくスタイルです。
- メリット: ランニングコスト(毎月の委託料)をゼロにできる。
- 向いている企業: 自立している社員なので、基本的に会社だけで対応できる場合。
3. 【最重要】登録支援機関は「2号の申請取次」ができません!
ここが最も多くの企業様が知らない、最大の落とし穴です。
特定技能1号のビザ更新などの際、これまでは登録支援機関が入管への「申請取次(提出代行)」を行っていたケースが多いと思います。
しかし、特定技能2号になると、登録支援機関は申請の取次ができなくなります。
| 区分 | 登録支援機関による申請取次 | 行政書士による申請取次 |
| 特定技能1号 | ⭕ 可能(※条件あり) | ⭕ 可能 |
| 特定技能2号 | ❌ 不可 | ⭕ 可能 |
なぜできなくなるの?(書類作成と提出の壁)
これには「提出」と「書類作成」という2つの高い壁があります。
1. 申請取次(提出)の権限がない
登録支援機関が申請取次(提出)を行えるのは、あくまで「1号特定技能外国人の支援計画」を受託している場合に限られます。支援の義務(=支援計画)がない2号においては、そもそも取次を行う法的根拠がなくなるため、窓口への提出代行ができません。
2. 有償による書類作成の権限がない(行政書士法)
そして何より重要なのが「書類作成」です。
そもそも、報酬を得て官公署への提出書類を作成することは、行政書士法により行政書士の独占業務と定められています。
これまでは「支援委託料の中に書類作成費が含まれている」というグレーな解釈をする業者もいましたが、2026年1月1日施行の行政書士法改正により、「いかなる名目であっても」報酬を得て書類作成を行うことは明確に違法となります。
つまり、特定技能2号の申請において、登録支援機関は「書類を作ることも(行政書士法違反)、提出することも(入管法上の権限なし)できない」のです。
これまで通り登録支援機関にお願いしようとしても、法律上対応ができません。無理に対応しようとすれば、違法行為に巻き込まれるリスクがあります。
まとめ:2号への移行は「行政書士事務所きりん」へ
特定技能2号への移行は、企業のコストを削減できる大きなチャンスですが、手続きのルールが1号とはガラリと変わります。
- 支援の義務はなくなる(コストカット可能)。
- しかし、入管手続きは登録支援機関ではできなくなる。
行政書士事務所きりんは、「登録支援機関スタッフ」としての経験と、「行政書士」としての法的権限の両方を持っています。
支援契約の見直しから、2号移行後のビザ申請手続きまで、ワンストップでサポートが可能です。
「今の業者との契約をどうしようか迷っている」という企業様は、ぜひ一度ご相談ください。最適なプランをご提案いたします。
