「高い紹介料を払って、やっと来てくれた特定技能の外国人材。これから戦力になってくれると期待していたのに、『話が違う』と言ってすぐに辞めてしまった…」
最近、このような相談を受けることが増えています。 退職理由として特に多いのが、「お金」「仕事内容」「生活環境」に関する認識のズレです。
- 「もっと稼げると思ったのに、残業が少なくて手取りが低い」
- 「こんなにきつい仕事だとは思わなかった」
- 「スーパーが遠すぎて生活できない」
実はこれ、全て「事前の提示が甘かった」ことが原因です。 口頭で「うちは田舎だよ」「忙しいよ」と言うだけでは、ミスマッチは防げません。 今回は、行政書士の視点から、このズレをなくすための「具体的なツール(賃金台帳・写真・Googleマップ)を活用した4つの鉄則」を解説します。
1. 「平均」ではなく「リアルな推移」を見せる
面接で「残業は月平均20時間くらいです」と説明していませんか? これでは不十分です。
農業や建設業など、季節によって繁閑の差が激しい業種では、「平均」は何の意味も持ちません。 「忙しい月は60時間残業があるが、暇な月はゼロ」という場合、働く側からすれば「聞いていた話と全然違う(冬は給料が安いじゃないか!)」となってしまいます。
これを防ぐために私が推奨しているのは、「既存の労働者(できれば同じ外国人の先輩)の実際の賃金台帳」を見せることです。(※個人名は伏せた状態で)
2. 「手取り」の真実を数字で語る
日本人が思う以上に、外国人材は「手取り(実際にいくら口座に振り込まれるか)」をシビアに見ています。
求人票に「月給20万円(残業代含む)」と書いてあっても、そこから社会保険料や税金、家賃などが引かれます。 さらに、前述した「繁忙期と閑散期の波」によって、手取り額は毎月変動します。
そこで、先輩社員の過去1年分の賃金台帳を見せながら、 「忙しい時期の手取りはこれくらい」 「暇な時期の手取りはこれくらいまで下がる」 と、包み隠さず提示します。
「悪い数字」を見せるのは勇気がいりますが、「一番給料が少ない月のリアル」を最初に知って入社した人材は、閑散期になっても辞めません。覚悟ができているからです。
3. 百聞は一見にしかず「仕事風景の写真」を見せる
数字と同じくらい重要なのが、「現場の視覚情報」です。 「うちは野菜を作る仕事だよ」「少し重いものも持つよ」 言葉でこう説明されて、日本人が想像する映像と、外国人が想像する映像は全く違います。
いざ現場に来てから「こんなに服が汚れるなんて聞いてない」「こんな中腰の姿勢が続くなんて無理だ」と辞めてしまうケースは後を絶ちません。
こうした「想像のミスマッチ」を防ぐために、私は必ず「実際の仕事風景の写真」を複数枚提示するようにしています。 泥だらけになって作業している様子や、重いものを運んでいる様子など、あえて「大変さが伝わる写真」を見せることが、定着率を高めるポイントです。
4. Googleマップで「生活の不便さ」を可視化する
意外と見落としがちなのが、「生活の不便さ」による離職です。 「宿舎からスーパーまで5km」と口で言っても、来日前の外国人はその距離感を実感できません。 いざ住んでみて「自転車で30分もかかるなんて無理だ」「雨の日は買い出しに行けない」と絶望し、それが原因で失踪や転職に繋がることがあります。
そこで、面接時には必ずGoogleマップを画面共有し、以下のことを説明します。
- 宿舎から最寄りのスーパー、コンビニ、病院までの実際のルート
- 「自転車で何分」「徒歩で何分」かかるかを具体的に示す
もし本当に不便な立地であるなら、そこで嘘をついてはいけません。 「確かに遠いです。その代わり、会社が週に2回、車で買い出しに連れて行きます」 といった「具体的な支援体制」をセットで提示します。 不便な事実と、それをカバーするサポートを正直に伝えることで、相手の不安は解消されます。
まとめ:ミスマッチを防ぐ「良い登録支援機関」を選んでいますか?
こうした「不都合な真実(リアルな数字、写真、地図)」も含めて、事前にしっかり説明・すり合わせができるかどうか。 それは、間に入る登録支援機関の質にも大きく左右されます。
単に人を連れてくるだけでなく、企業と外国人の双方が納得して長く働けるよう、きめ細やかなマッチングを行う機関を選ぶことが、結果として一番のコストダウンになります。
行政書士事務所きりんでは、書類作成だけでなく、こうした「ミスマッチが起きにくい、誠実な登録支援機関」のご紹介も行っております。 「もう採用で失敗したくない」「誰に相談すればいいか分からない」とお悩みの事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。

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